『斎藤孝の速読塾』
齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる! (ちくま文庫)
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: 文庫
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私は本を読むのが遅いので、速読というキーワードにつられて購入しました。
本の内容としては、速読の技術から本を読むときの心構えまで書かれています。
どちらかというと心構えのほうが多いかな。
いくつかポイントをピックアップします。
なぜ速読・多読が必要か
速読は本を読む時のみならず、生活のあらゆる面で役に立つから必要。
例えば、会社で資料に素早く目を通して理解しないといけない時や、家で新聞や雑誌を読む時など。
多読はバランスのとれた価値判断能力を養う上で必要だと筆者は言います。
本がたくさん読めない、あるいは読解力や理解力が足りない人の一般的な傾向として、趣味が狭く、自分の好きなものに固執し、物事を決めつける性質がある。
左翼や右翼と言われる人達は、あるものを絶対と信じることによって、その他のものすべてにバイアスをかけてしまうことです。このように凝り固まった人はどちらかに決めつけてしまいたくなる傾向があります。そういう狭さから抜け出すために「多読が」必要なのです。
さらに、本をたくさん読むと、今までの知識が土台となって、その上に新しい知識が積み上がり、理解力が加速度的に身についていくと言います。
本を読んだ時の理解力は3段階
筆者は本を読んだ時の理解力は3段階に分かれると言っています。具体的には以下の通り。
Cランク…本をよんでもすぐ忘れてしまう。知識として”使えない”という段階
Bランク…一応本の内容把握はできている。つまり「要約力」はあるという段階
Aランク…内容を要約して咀嚼した上で、さらに新しい価値をつけることができる段階
本書のタイトルは「速読"塾"」ですが、本書はAランクの理解力を身に着けることを目標とされています。
Aランクの理解力を得るには
ではAランクの理解力を得るにはどうすればいいのか。
1冊読むのに時間がかかる人は、その本がどうであったか、意見を言う必要性に迫られていないのです。
本を読むとき必ず「読んだ後、書評を人に言うのだ」と思って読む。
無理やりスケジュールをたてて、いつまでにその本を読まなければいけないのか、日にちを設定する、つまり自分に締め切りを課してしまうのも有効。
これは本書では「逆残式読書法」として紹介されている。つまり、従来の本を読み終わってから、その集大成として最後に表現に至るというプロセスではなく、表現の場が与えられていて、そのために必要に迫られて読むというプロセスです。
私自身に当てはめるなら、このブログでこうして書評を書くために、本を読むような感じです。ブログを書かないといけないから、本を読まないといけなくなる。この順番が大事なのだと筆者は言います。
「強制力をもった表現の場から逆残して本を読む」というのが「逆残式読書法」で、これがAランクの理解力をつける上で極めて有効なんだとか。
本は買った日に読み切るべし
大体、ノウハウ本の内容は実践できないことが多いのだが、「これは自分にもすぐできる」と思うものがあった。見出しの通り、買った日に読みきるのだ。
買った直後が、気持ちも一番盛り上がっているわけですから、頭が読みたいモードになっています。だから、買った日を”締め切り”にするのは理にかなってる。
これはすぐに実践できることなので、取り入れようと思います。
もし、その日に読み切れなかったとしても、なるべく買った日から日が経たないうちに読もう。
最後に
他にも視点移動の重要性や、3色ボールペンの使い方、「二割読書法」等、具体的な方法論が書かれていて、とても参考になりました。
これから色んな本を読もうと思っている人は、最初に読んでみてはいかがでしょうか。