ひろつかさ、本を読む。

読書感想がメインです。

『教えて石平さん。日本はもうすでに中国にのっとられているって本当ですか?』

 

 

今、私たちの知らないところで「中国による日本の支配」が進んでいると筆者の石平さんは言います。

 

本書を読み、いかに自分が中国に対して無知であるか、そして平和ボケしているかを実感しております。

 

知っていましたか?

以下本書で具体的に指摘されている正直の事実

 

・今日本に住んでいる中国人は、約70万人

・2013年に、日本全体で194ヘクタールの土地が外国資本に買収されたが、このうち中国資本が買収したのは、168.9ヘクタール(東京ドーム約36個分)

・土地だけでなく、東京や大阪の一等地のマンションや1戸建ての購入も増えている

 

等々

他にも自分の知らなかった衝撃の事実がたくさん書かれていました。

 

筆者は10年ほど前に帰化した元中国人です。(たまにテレビにも出ています。)

2014年には『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか(PHP新書)』では第23回山本七平賞を受賞されています。

なので中国の政策や現状にかなり詳しいです。

今回取り上げる本は、日本は中国とどう付き合っていけばいいのか、という事まで書かれていて割と好印象の本でした。

 

 

以下、とくに衝撃だった内容を簡単にまとめます。

 

中国人はなぜ日本をめざすのか

中国は、13億人の人口を抱えきれないという問題を抱えています。

(ちなみに戸籍に入っていない人を加えると、14億人を超えたとも言われています。)

 

筆者は次のように言っています。

中国大陸にはもう、14億人を養っていけるだけの「生存空間」がなくなりました。「生存空間」とは、人間が健康に生きていける空間、具体的には豊かな土地や、綺麗な水、空気など、人間が生存していくために必要なすべての要素のことです。

 

中国は国土が広いので、「14億人を収容できない」と聞くと、私は最初「そんなバカな」という気持ちになりました。しかしそうではないのです。

 

中国の土地面積は960万㎢と一見広大です。(日本は約38万㎢)

しかし、その約3分の1(358万㎢)がチベット新疆ウイグル自治区青海省の土地です。ここらは荒涼とした痩せた土地であることから、人がほとんど住んでいないそうです。実際に、上記の土地に住む住民は中国総人口の2%(2700万人)に過ぎないとか。

 

つまり、ほとんどの中国国民(残りの98%)は、中国大陸の国土の3分の2に住んでいる訳です。

 

しかし、この残りの3分の2の土地は、現在「砂漠化」が進行しているそうです。

 

2014年の時点で、中国は国土の27%が砂漠化しています。これは日々進行しており、毎年日本の神奈川県と同じくらいの土地が砂漠化していると言われています。

 今、中国で「荒漠化」「砂漠化」していない土地は、全体の約29%にすぎません。これは2000年に発表された統計なので、現時点では、間違いなくその面積は減っています。

14億人の中国人が生きていくために利用できる土地は、もう全国土の約3分の1に過ぎないということです。

 

しかも、この3分の1の土地に流れる水が汚染されており、水不足が起こっています。

2007年の統計では、660の都市のうち511の都市で水不足が起こっています。

 

こういう理由もあり、安心して暮らせる土地を海外に求める中国人が増えています

彼らからすれば、日本もその海外のうちの1つというわけです。

とても魅力な日本の不動産

上記の理由もあって、日本に土地を求める中国人が増えています。

2013年には中国人によって、東京ドーム36個分の面積の土地が買収されました。

 

しかし買収されているのは土地だけではありません。

東京や大阪等の一等地のマンションや一戸建ても購入する人が増えているそうです。

 上海や北京のマンション価格は、東京や大阪の一等地にあるマンションの1,5倍以上もすると言われています。

 つまり、中国人富裕層からすれば、日本の物件は割安に映るらしいです。

 

確かに、日本では大気汚染も水不足問題もありませんから、都会の物件が割安となると、買わない理由がないですね…

 

また価格以外にも日本の不動産が魅力な理由がもう一つあると筆者は言います。

土地の所有権です。

 

中国は共産主義の国家ですから、元々土地はすべて国家のものです。中国で不動産を購入したとしても永久所有はできず、70年後には国家に返さないといけません。つまり中国の不動産売買は、70年間の「利用権」を売買しているに過ぎないのです。

 

なので「永久所有」できる日本の土地はとても魅力なのです。

 

最後に

本記事では中国人が日本に来る理由を主に取り上げましたが、尖閣諸島など軍事面についても書かれています。

日本と中国との間で、もし軍事衝突が起こった場合。

アメリカは日本のために戦ってくれるのか?といった内容です。

 

残念ながら筆者は「アメリカは日本のために血を流してまで戦ってはくれない」と主張しています。

ベトナム戦争の時、戦争中の映像をアメリカ国民にテレビで放映したところ、

反戦運動がおこり、その世論によってアメリカ軍は攻撃を辞めてしまったからです。

つまり、アメリカは民主主義という国家であるが故に、世論や民意には逆らえないのです。

 

こういった事もあり、「日本はなるべく軍事予算を増やし、自国の事は自国で守れるように」ということも筆者は主張しています。

 

私たち日本人はどこかで、有事の際はアメリカが助けてくれると考えている節があります。

 

もし国際問題に興味があれば読んでみてはいかがでしょうか。